HQB認定住宅を手がける工務店の社長インタビュ―①
アドヴァンスアーキテクツ
ハイクオリティビルドWEBサイトの新連載企画、「HQB認定住宅を手がける工務店の社長インタビュー」がスタート。第1回目にご登場いただくのは、大阪府堺市を拠点にモダンな住宅を次々と送り出すアドヴァンスアーキテクツの代表取締役・松尾享浩さん。家づくりに注ぐ思いを伺ってみました。
松尾さんが同社を立ち上げたのは、14年前のこと。
それまでは、大手ゼネコンなどで施設の施工管理を務めていたそうですが、「より暮らしに密接した住宅を手がけたい」と起業。
その後、建築家として自らデザインを行う設計事務所も別におこし、住み手に寄り添う家づくりを多角的に行っています。
「家は“家族を守るもの”なので、まずは構造や断熱といった性能面が大事。弊社では、SE構法のように構造計算する工法を採用したうえで、“家への思いを具現化していく”ことに重きをおいています。住宅には、暮らしを豊かにする、生活に潤いをもたらす、というような面が求められていると思うんです。だからこそ、お客さまとの会話やコミュニケーションを重ねて、行き着いたアイデアや答えを見出す姿勢を大切にしたい。
私はいま、施工技術に高い知識をもつ設計士の育成に注力しているので、会社では極力図面をひいておりませんが、スタッフがファーストプレゼンの後に『予想もつかないプランで感動しました!』とよく言われるようで、それがうれしいですね。そこには、普通解ではなく、サプライズ的な要素があるのではないかと。“いい家”にはお客さまと双方向の対話で生まれたアイデアがあり、多くのご要望が反映されている。そうした積み重ねで、プランがブラッシュアップされ、住む方の個性や人となりが見えてくる家が実現できるのだと考えています」。
工事管理者としての豊富な経験から、美しいディテールにこだわっているという松尾さん。今後の展望について、こう語ってくださいました。
「細かい仕様やディテールを求めると、キリがなくお金もかかってしまいます。そういう面でこれからは、高い性能をもつ、デザインされた注文住宅をもっと手が届きやすいものにしたいなと。
私たちが行う家づくりは、一棟一棟ていねいにつくり上げるもので、同じ家がひとつもないわけですが、カスタムメイドにすることで価格を抑えている。長年培ってきた経験や技術をもとに既製品をうまく使うなどして、そうした美しい家をコンスタントにつくれる仕組みを構築したいですね。『いい家を設計士と建てる』というスタイルは、とても大事だと思っていて。“住宅のIT化”というと大げさかもしれませんが、新しい家のプロトタイプを探っているところです。
やはり『暮らしを豊かにしたい』という思いがあるので、家づくりのプロが全てを行うのではなく、住まれる方が選択しやすい価格帯でシステム化を図っていきたいですね。そして、私たちが提案しているシンプルな建築に、お客さまが彩りや感覚にフィットするアイテムを取り入れ、家づくりや暮らしをもっと楽しんでいただきたい。そのために、オリジナルのインテリアも開発していきたいなと思っています」。
アドヴァンスアーキテクツ ハイクオリティビルド認定住宅
HQB認定003 吹き抜けがつなぐ空間を楽しむ住宅