「注文住宅のブランドづくり<入門編>」第2回
9月19日(木)にハースト婦人画報社の会議室でHQBセミナー「注文住宅のブランドづくり〈入門編〉」の2回目を開催しました。
今回の座学の講師は、大阪のスーパー工務店、アドヴァンスアーキテクツの代表取締役・松尾享浩さん。
手掛けた住宅がイタリアやドイツ、フランスのデザイン賞を次々に受賞するなど、その躍進ぶりは飛ぶ鳥を落とす勢い。
そんなアドヴァンスアーキテクトのブランドづくりについて話を聞きました。
組織を育てるために現場を離れる
2002年に個人事務所からスタートした松尾社長は、設計事務所と工務店機能をもつ【設計工務店】としてこだわりの家づくりに取り組んでいました。このころは、「こだわりの家づくり」を貫くことで、営業がいなくても成立するビジネスモデルを追求していたそう。
それでも棟数が増えると、自ら接客し、提案・設計することに限界を感じ、創立して10年を過ぎたころ、まじめに「営業」を考えるようになったそうです。そこから自分は現場を離れ(=お客様には会わない)、組織を育てることに専念しました。
自分が現場に立たなくても、質の高い価格の家ができ、お客様に満足していただけるよう設計の規格化に着手します。
ブランドによって標準商品があり、そこにオプションを追加していく車の販売スタイルにヒントを得て、定額制のA-CASAをつくりました。
松尾社長はこれを「スタート住宅」と呼んでいます。ここから始まる家づくりという意味がよく伝わってきました。
近年、高級住宅の依頼が増えているアドヴァンスアーキテクツですが、業績を支えているのは、A-CASAシリーズだそうです。
安定した売上がベースにあるからこそ、高級注文住宅にも思い切り力を注げるのですね。
「トヨタが高級車と大衆車の両方を扱えるように、提供する技術や性能が高いレベルで維持できていれば、高級住宅とローコスト住宅の両立は可能です」(松尾社長)
自社のパンフレットを客観的に評価するワークショップ
後半は、ワークショップ。参加者に持ってきてもらった自社のパンフレットや会社案内を3分ずつじっくり見て、良い点や課題と思う点をそれぞれ指摘し合いました。
意外と他社のパンフレットをじっくり見る機会はないので、それぞれ自社との違いを感じたり、エンドユーザーの立場になってみると良いところ悪いところが見えてきて、参加者の皆さんは多くの気づきを得たようでした。
全2回のセミナーを終えて、住宅ブランドの伝え方・売り方について、まだまだ地域の工務店がやるべきことがあり、同時に飛躍できる可能性も感じました。
ハイクオリティビルドでは、公の場では聞けない経営者のリアルな声を聞いたり、ワークショップですぐに実践できるノウハウを学んだり、少人数セミナーだからこそ得られる充実した内容を、今後もお届けしていきたいと思います。
ブランドについて学ぶ少人数セミナーが開催されました!(HQBセミナー「注文住宅のブランドづくり〈入門編〉」1回目)
セミナー「注文住宅のブランドづくり<入門編>」ダイジェスト動画
https://www.youtube.com/watch?v=YmzKNJesl4E&feature=youtu.be