夫妻それぞれの理想を叶えた分棟スタイルの平屋

TIMBER YARDのインテリアショップを訪れる中で、奥さまが古い家の建て替えを希望し始まったT邸の新築計画。奥さまは好みの家具や小物を飾るインテリア、夫は愛車とバイクの整備環境、さらに数匹の猫との快適な暮らしという3つの要望をもとに、余裕ある敷地に住宅棟とガレージ棟を中庭で隔てる配置が採用された。住宅棟のLDKは勾配天井と天窓を採用し、明るく開放感ある空間に。鮮やかなタイル壁やテキスタイル、ユニークなモビールで彩られる。愛車とバイクを収容するガレージ棟には作業スペースのほかギターの展示スペースも設け、趣味を存分に楽しめるように。視線やプライバシーを確保しながら双方の個性が干渉せず、皆が好きなものに囲まれる唯一無二の住空間が完成した。

住宅棟は中庭を囲むL字型。周囲の視線を気にせずにくつろげる。左手の壁はガレージ棟。飛び石伝いに双方の棟を行き来することができる。

キッチンはダイニングと一体の空間。インテリアの大切な要素であり細部を打ち合わせながらTIMBER YARDで製作した。収納はどこに何をしまうか細かく計画している。後ろの扉を開けると水回りスペースが。

食器棚は奥さまが完成前に購入したもの。正面のモビールもお気に入りだったもので、勾配天井はこのために生まれたともいえる。照明で揺れる影を楽しむ。

タイルのアクセント壁はキッチン側にも高い位置に猫用の小窓を設けている。猫はここから梁に上がり、リビングを横断して中庭側の窓の下のキャットウォークを歩く。

ゆとりのある玄関ホール。ミナベルホネンの張り地を使った椅子が空間を引き立てる。リビングに続くがガラスのドアはオリジナル。真鍮のノブを付けた。

ランドリースペースも明るく気持ちがよい。

正面が住宅棟。手前がガレージ棟。2つをハの字型に配置して、敷地内に誘い込むようなアプローチをつくった。手前の植栽と奥の木製の格子が街に優しい表情を加える。塀も門扉もなくオープンだが、プライバシーは守られている。

車2台とバイク7台を収容するガレージ棟。道路に対して斜めにしているので内部の様子は道路側からは見えない。集中して作業ができる。

撮影/梶原敏英

美しいディテール

深い青色のタイルが貼られたリビングのアクセントウォール。バックヤードのアートだけを切り取るように設けた開口が、壁の圧迫感をやわらげます。注目したいのが、タイルの割付け。開口部分を半端を出さずに貼られている様子から、丁寧な職人仕事が伝わってきます。

建築知識ビルダーズ編集長 木藤阿由子

TIMBER YARD
https://timberyard.net/
TIMBER YARD社長 並木 浩さんインタビュー
https://www.hqb.jp/interview/timber-yard
物件情報
物件名/T邸
所在地/千葉県
延床面積/215.50㎡
1F/主屋 131.04㎡
家族構成/夫婦+猫
構造/木造SE構法
性能/耐震等級_3
ガレージ/ガレージ棟 84.46㎡
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