多様性と上質さを兼ね備えた アレンジ自在の自由な空間

シンボルツリーとアーティストのオブジェに出迎えられるO邸は、エントランスを入るとアートや愛車を楽しむギャラリースペースが現れる。そして2階のLDKに至ると、開放的な空間が広がる。通常であれば隅に配されがちな書斎を中央に据え、書斎ブースを取り囲むようにリビングやダイニング、フリースペースを壁や扉で区切らずに点在させている。キッチンは生活感を抑えるために独立させて存在を感じさせないようにする一方で、緑や桜の借景を楽しみながら調理できるようにした。LDKは昼は自然光に包まれた爽やかな雰囲気、夜は間接照明などでシックなレストランのようなムードに変わる。仕事や趣味、社交など、多様なシーンに対応できる柔軟な舞台で、Oさんは日々の暮らしを楽しんでいる。

LDKの中央に位置するブースは書斎。ルーフバルコニーからの自然光が差し込み、明るく開放的。リビングの一部として自然になじむデザインで存在している。

階段まわりやダイニングからは、キッチンの調理機器が見えない配置になっている。南側のフリースペースとの境界は腰壁にして、視線が抜けていくようにした。

光や風が通り抜けていく2階のLDK。キッチンは北と東の2方向から借景を取り込む大きな開口を設けた。階段まわりの手すりも視界の邪魔にならぬよう、極力シンプルに仕上げている。

アートや車が映えるギャラリーのようなエントランス。ガレージに接する壁をガラスにし、日中は常に明るい。

パウダールームも見せる空間としてムーディなライティングで演出している。風合いのある 大判タイルの壁が印象的でホテルライクなデザイン。

玄関アプローチにはシンボルツリーとなるドウダンツツジの鉢を置いた。

玄関先に配した著名なアーティストに依頼したオブジェはO邸の表札代わり。眼科手術医の矜持を具象化した作品だそう。

ライトアップすることで、夜はよりドラマチックなファサードに。幹線道路沿いの角地だが、ガレージ部分をセットアップした外部と住居部分の間には、程よい距離が生まれ、防音対策にもなっている。

撮影/下村康典

美しいディテール

リビング・ダイニングの冷暖房のために設置されたパネルシェード(輻射冷暖房システム)とエアコン。2つの機器が存在を主張しすぎないように、壁と同色にしたり、造作家具と一体にしてさりげなく隠したりして、インテリアを美しくまとめあげています。

建築知識ビルダーズ編集長 木藤阿由子

ビルドワークス
https://www.buildworks.co.jp/
物件情報
物件名/O邸
所在地/京都府
延床面積/153.53㎡
1F/78.63㎡
2F/74.90㎡
家族構成/夫婦
構造/木造SE構法
性能/耐震等級_3(耐風等級_2)
一覧に戻る
TOPに戻る